「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」
国や地域のコミュニケーション方法の特徴を表す概念です
日本語と英語の違いは単語や文法だけではありません
発想の違いにより、表現方法が変わります
単語や文法を学習するのは重要な事です
しかし、英語で話す相手が日本人ではない事を考えると相手の文化を理解することも大切です
自然な会話のために、ここでは文化の違いによる発想の違いを紹介します
実際に英語で会話をしている状況をイメージしながら覚える事をお勧めします
そうすることが、きっと英語を自然に話すための近道になります
気持ちが伝わる言葉
まず、次の状況を思い浮かべてください
あなたの自転車が壊れ、そこに来た男の人が直しました
日本語と英語で自転車を直したことを表現してください
日:自転車を直した
英:He repaired the bicycle.
では、その人が親切だった場合はどう表現しますか
日:自転車を直してくれた
英:He repaired the bicycle.
では、その人に頼んだ場合はどう表現しますか
日:自転車を直してもらった
英:He repaired the bicycle.
日本語の場合、多少の違いはあってもこれに類した表現ですね
違いをみてみましょう
日:彼(主語)を省略
状況によって表現が変わる(した、くれた、もらった)
変わった言葉(した、くれた、もらった)に気持ちが入る
英:変化なし
その時の直した事実だけを表現する
日本人は全体との調和や協調を大切にします
これ以上語らず気持ちを伴った言葉で状況を伝えようとすることも多いです
それでコミュニケーションしていませんか
英語はもちろん、その時の状況も説明して全体像を伝えます
コミュニケーション文化の違い
コミュニケーションスタイル
調べてみました、コミュニケーションの違いについて
- ハイコンテクスト文化
価値観、感覚といった 文脈、背景 に大きく依存する文化
日本語はその代表格 - ローコンテクスト文化
ほぼ言語を通じて行われ、文法も明快かつあいまいさがない文化
英語はその筆頭
それがどうしたと言いたいところですが、英語は言葉どおりでそれ以上を語らない代わりに言葉どおりの解釈をされます
余計なことは言わず、言うべきことを全て表現せざるを得ない
慣れない日本人にはひと苦労です
お互い頑張りましょう
英語は言葉通り、意訳するとニュアンスが変わります
直訳で意味と丁寧さを感じてから、言葉の理解をお勧めします
日本人は全てを語らなくても通じますが、文化が違うとそうはいきません。こんな事が起こります
- キッチン汚いなあ(片づけて)
そうだね
… - テーブル(の上)を片付けといて
テーブルは重くて動かせない - そこ、拭いといて:
そこじゃ分らん - あれ、どうなってる?
何の話? - 今日飲みに行かない?
月末はちょっと
ちょっと何?
背景
もう少し別の表現も見てみます
日本語
私、俺
しんどい(助けて)
難しい(できない)
英語
I
Give me a hand.
I’m afraid I can’t.
日本人は本心を隠す言葉を選びがちで、相手に気を使い心地よい調和を求める傾向があるようです
和が重要、和風=日本風
- 日本
ほとんど単一民族社会だからそれで通じる
以心伝心 - 米国や欧州
異なる文化や歴史、宗教を持った多民族の集まり
お互いを理解するには明確で簡潔な会話が必要
世界がグローバル化し交流が増えると、日本のやり方では意思疎通が難しくなりそうですが、何らかの形で残ってほしいですよね
量の変化は質の変化を引き起こす
おもてなし
守ろう日本文化
あいまいな言葉
あいまいな言葉に慣れた日本人が、少しでも話しやすくするためにはどうすればいいのでしょうか?
あいまいな表現を見てみましょう
私はウナギだ
私がウナギではありません
いや、そうだと言った
私はウナギがいいと言ったのです
日本人だと普通ですよね
そうだよな
oh! nihongo muzukasii
私はウナギだ
I’d like to eat unagi.(鰻屋にて)
鰻(eel)です、念のため
あいまいにする言葉
ひとまずウナギは置いといてショートケーキを使います
maybe shortcake
such as shortcake
shortcake etc
like shortcake
たぶんショートケーキ
ショートケーキとか
ショートケーキとか
ショートケーキのような
feel like shortcake
something like shortcake
shortcake or something
kind of cute
ショートケーキのような感じ
ショートケーキみたいな
ショートケーキか何か
ちょっとかわいい
休憩
Cake, cake, in the fridge.
ケーキ、ケーキ、冷蔵庫。
Who ate my shortcake?
Oops, I ate it yesterday.
誰?
私だった。
something
something(何か)はけっこう便利な言葉です
I want to be able to speak English well.
Can you recommend anything good, like on the web or something?
Something like this book?
英語がもっと話せるようになりたいんだよね。
ウエブか何かでいいものを知らないかな?
この本みたいな?
その他
前回書いた 少しの違い の程度を表す言葉も使えますよ
a little でも little でも同じ金額だったりします
とても気になる so ~ pretty も表現をあいまいにできます
他にも?
お気付きですか?
Help me.
I can’t do it.
I hate fish.
Give me a hand.
I’m afraid I can’t.
I don’t care for fish.
しんどい
それは難しい
食べられるかな
ここでは、気軽な言葉から丁寧な言葉までいろいろ紹介していますが、間接的で遠まわしな言い方が丁寧であり英語でも日本語でも好まれます
それで多少のあいまいさは持たせられますが、日本語では更にあいまいに表現することがあります
そこは大きな違いです
日:感情を込めた言葉で本心を言わず行間を読んでもらう
英:それでも言うべきことは言う
言葉の使い方であいまいな表現にはできますが、英語で話すときは、言うべきことは言わないと誤解されるので注意しよう
あいまい?あいまいじゃない?それが問題だ
To be, or not to be, that is the question.
あれ? to be けっこうあいまい
お疲れさまでした
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