can と could 意味の違いと使い方(能力、可能性、仮定)

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can と could の違いと使い方

助動詞 can と could の使い方を、例文をベースに説明します

助動詞の記事の内容と例文で参考にした主なものはこちらです

今回の例文と解説は、できる限りネイティブか専門家のものをベースにしています
<文法書、辞書>
・English Grammer in Use(GIU)
・Cambridge English Dictionary(Cambridge)
・ロングマン現代英英辞典
・新英和中辞典
<英語学習サイト&Video>
・BBC Learning English
・English with Lucy
<その他>
・YouGlish
・英語の法助動詞(中野清治 著)


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目次

can, could 使い方の分類と時制について

分類

can と could は能力を示す言葉です
できることや可能性を表現できます

理解しやすくするため、このあとの例文は次のように分類しています

できる

  • 自分ができること
    (能力、可能、許可)
  • 他人ができること
    (能力、可能、許可、命令、提案)
  • できない(否定形
  • 相手に確認(疑問形
    (確認、依頼、提案、提供)

可能性・推量

  • 可能性がある
    (できる、時々おきる、あり得る)
  • 可能性があるだろう
  • 可能性がない(否定形

仮定法(could

その他(could

  • 不満(canも含む)
  • 大げさ
  • 反語(比較級)

この分類は、新英和中辞典とロングマン現代英英辞典をベースにまとめました

時制について

助動詞は時制と関係なく使われることが多いので、ここで確認しておきます

文法的には could は can の過去形です
でも could は時制に関係なく、次のようなときに使われます
・控えめで丁寧な話
・できない/しないことを想定している

使い分けは次の通りです

スクロールできます
意味cancould
できるできる
(現在、未来)
やればできる
過去、現在、未来)
過去:できた状態
(否定文)できないできないだろう
過去:できなかった
相手に確認
(疑問文)
依頼など丁寧に依頼など
推量・可能性可能性がある
過去、現在)
あるだろう
仮定法仮定法(できない)
その他(不満)
不満(できたでしょ)
大げさ(できないこと)
反語(couldn’t+比較級)

時制についての補足説明

現在および未来時制では can も could も同じように使えます
時制は can, could ではなく文脈で決まります
時制の一致では can を could にします
過去時制は could +完了形 にします
can’t も完了形にして過去時制になることがあります

説明だけでは分かりにくいですね
例文を見れば、少しは理解しやすくなります

can, could の使い方1:できる

できるとは次のような状態です

  1. 能力がある(能力)
  2. 環境が整っている(可能)
  3. 制限がない(許可)

使う対象を、①自分、②他人、③相手、④否定文に分類して並べています

①自分に使う

できる(能力、可能)

I can go.

行ける

I can swim.

泳げるよ

I can do it.

私にはできる

(能力)

I can speak English.

英語を話せます

(可能)

I can see my car over there.

あそこに私の車が見える

Oh, I can taste the lemon grass!

ああ、レモングラスの味がする!

(未来の可能性)

Do you think I can try something?

私は何かを試せると思いますか?

could も同じように使えます

(過去)

15 years ago, I could speak German.

15年前、ドイツ語を話すことができました

(現在)

I have a lot more I could say to you.

もっと多くのことを言うことができます

(未来)

Do you think I could try something?

私は何かを試すことができると思いますか?

could は過去のことも言えます
(注意)できた事実ではなく、できた状況です(別途説明)
could は can より柔らかいイメージになります

制限がない(可能)

自分のことは疑問文で許可を求めるときによく使います

Can I open the window?

窓を開けてもいいですか?

Can I go to my friend’s house?

友達の家に行ってもいい?

Can I take the day off tomorrow?

明日、休暇をもらえますか?

could も同じように使えます
丁寧な表現になります

Could I use the restroom?

お手洗いを使うことはできますか?

Could I ask you a question?

質問することはできますか?

Could I take the day off tomorrow?

明日、休暇をもらうことができますか?

英語には、日本語の敬語に直接対応する表現はありません
can を could に置き換えるのが日本語の敬語を使う感じです
could は「してもよろしいですか?」ぐらいのイメージでも使えます

②他人やモノに使う

できる(能力、可能、許可)

自分と同じように他人にも使えます

(現在)

You can do it.

あなたならできる

She can design websites.

彼女はウェブサイトのデザインができます

They can speak French fluently.

彼らはフランス語を流暢に話すことができる

There’s hardly any traffic and you can really go fast.

ほとんど渋滞もないし、本当に速く走れるよ

話し手が事実に基づいて、客観的に話しています

可能

ものに使うと可能のイメージになります

That car can go up to 200 km/h.

そのクルマは時速200kmまで出せるんですよ

It’s going to be tough, but it can be done.

大変ですが、出来ないことはないです

話し手が客観的に可能だと考えていることです

could でも同じように使えます

(過去)

In those days you could smoke in the room.

当時は部屋で煙草が吸えました

My grandfather could speak three languages.

私の祖父はトリリンガルでした

(現在)

We could use these in some kind of like a cocktail.

これらをカクテルのようなものに使用できます

(未来)

She, I’m sure, could tell you more about that hats.

彼女はきっとあの帽子についてもっと話してくれると思います

③相手に使う(疑問文は除く)

許可・提案・軽い命令

You can go.

あなたは行けるよ

この例のように、提案を意識して日本語の「行ける」のイメージを考えてみてください

・行ってもかまわない(許可)
・行けるから行きなさい(軽い命令)

許可にもなるし、軽い命令にもなりますね
英語も同じです

You can go to the movies tonight.

今夜映画に行ってもいいよ

You can watch all of them if you want to.

必要に応じて、それらすべてを見ることができます

可能、命令

If you won’t keep quiet, you can get out!

静かにしないなら、出て行っていいよ!

You can stop that quarrelling, the pair of you.

喧嘩をやめなさい、あなたたち二人は

内容によっては少しキツイ言葉にもなります

軽い命令、丁寧な提案

can と could でニュアンスが変わります
・can  軽い命令
・could 丁寧な提案

You could read a book or maybe you can go see a therapist.

本を読んでみたり、セラピストに会いに行くこともできます

YouTubeで見つけたものの一部抜粋です
多少のニュアンスの違いはありますが、can も could も同じような感じで使っています

(比較)

You can listen to the radio.

ラジオが聞けるよ

You could listen to the radio.

ラジオを聞くこともできますね

(can)

You can read this website for a longer explanation.

より長い説明については、このサイトをお読みください

(could)

You could read it on this website.

このウェブサイトで読よんでみたら

You guys could go for a nice steak.

ステーキでも食べたら?

Dad said we could go swimming after lunch.

パパが、昼食の後で泳ぎに行こうって

We could go watch a movie tonight.

今夜映画を見に行ってもいいかもね

can はすることが前提なので軽い命令のイメージです
could はしないことも想定しているので丁寧な提案になります

④否定文

できない/してはいけない

(自分)

I can’t swim.

泳げない

We can’t go on like this.

私たちはこのままではいけない

That’s really nice of you, but I really can’t accept it.

嬉しいけど、受け取れないわ

(他人、もの)

The child can’t walk yet.

その子はまだ歩けない

He can’t remember where he put the tickets.

彼は切符をどこに置いたか覚えていない

In soccer, you can’t touch the ball with your hands.

サッカーでは、手でボールに触ってはいけない

You can’t have your cake and eat it too.
(have と eat が逆のこともあります)

(ことわざ)ケーキを残すのと食べるのは一緒にはできない

日本語らしく言うと「いいとこ取りはできない」「二兎を追う者は一兎をも得ず」あたりでしょうか?
ケーキは食べたら残らない、と言えば分かりやすいですね

could も同じように使えます

(過去)

He couldn’t come last night.

彼は昨夜来られなかった

We couldn’t go to Hawaii because our kid got sick.

子供が病気になったのでハワイに行けませんでした

I couldn’t get tickets after all. They were sold out.

結局チケットは手に入らなかった、売り切れだった

過去の話だと分かれば couldn’t だけで過去の話になります
次のように完了形にしても過去の話になります

They can’t   have found anything definite.
They couldn’t have found anything definite.

彼らは明確なものを見つけることができなかった

can’t も couldn’t も完了形で過去の話にして使えます
どちらもほぼ同じ意味です

できた場合 vs できなかった場合

I ran after the bus, and was able to catch it.

バスを追いかけて走った、そして間に合った

I ran after the bus, but couldn’t catch it.

バスを追いかけて走った、でも間に合わなかった

実際にできたことは could ではなく be able to を使います
できなかったことには使えます

can, could の使い方2:相手に確認(疑問文)

疑問文で相手に聞くものです

  1. 確認
  2. 依頼
  3. 提案/提供

①確認

Can you play chess?

チェスができるかい?

No, I can’t.

いや、できない

Can you hear all right in the back row?

後列はちゃんと聞こえますか?

Could you hear what I was saying?

私が何を言っていたか、聞こえましたか?

Can I ask you a question?

質問いいですか?

Could I ask you a question?

質問してもいいですか?

②依頼

Can you give us a second?

ちょっと待って

Could you please wait for a moment?

少々お待ちください

Can you help me lift this box?

この箱を持ち上げるのを手伝ってもらえますか?

Could you do me a favor? I need a ride to the airport.

お願いがあるのですが、空港まで車で連れて行ってほしんだけど

Can I get sandwich and french fries. No drink.

バーガーとポテトを。飲み物なしで

Could I have a sandwich meal?

バーガーセットを頂けますか?

Could you hear that all right?

ちゃんと聞いてもらえますか?

Could you drop off the kids on your way to work?

出勤時に子供を預けてもらえないかな?

③提案/提供

What can I get for you today?

何にしますか?

Can I carry your books for you?

本を持ってこようか

Could I get you started with anything to drink?

お飲物はいかがですか

Could you get one of your friends to help you?

お友達に手伝ってもらうことはできるかな

Couldn’t you get one of your friends to help you?

お友達に手伝ってもらうことはできないかな

can より could が丁寧な表現です
could でも couldn’t でも、ほぼ同じ意味で使えます
相手にお願いするときは、could で丁寧に頼みたいですね
ただし、親しい相手だとcan のほうが親密感がでます

注意 Yes, you can.

could で聞かれても、返事は can を使うのが普通です
Could I use your phone? (電話をお借りしてもいいですか?)
Yes, you can. (いいですよ)
返事に could を使うと「よろしいです」とか「(使いたいなら)使うこともできますよ」のような偉そうなイメージになります

can, could の使い方3:推量・可能性

ものに使うときは推量や可能性で、話し手が思っている気持ちです
自分のことを推量するのは変ですが、他人だと推量や可能性でも大丈夫です

  • can   可能性がある
  • could  可能性があるだろう

可能性がある(can)

This hall can hold of 100 people.

このホールは100人収容できます

She can pass the examination.

彼女は試験に合格する可能性がある

It can be quite cold here at night.

夜、ここはかなり寒いことがある

Accidents can happen to anyone.

誰にでも事故は起きる可能性がある

COVID-19 can be quite dangerous.

新型コロナウイルスはかなり危険なことがある

Even the best doctors can make a mistake.

名医でもミスを犯すことはあり得る

日本語だと「できる」「ことがある」「あり得る」などの表現ができます
可能性の大きさは関係なく、可能性だけを表現しています

可能性があるだろう(could)

From the looks of those clouds, it could rain any moment.

あの雲の様子では今にも雨になりそうだ

Most accidents in the home could be prevented.

家庭内のほとんどの事故は防ぐことができる

He could be in his office.

彼は事務所にいるかもしれない

It could be weeks before we get a reply.

返事をもらうのに何週間もかかるかもしれない

A big earthquake could happen in the next few decades.

大地震があと数十年以内に起こるかもしれない

could だと、可能性のある事実だけでなく違うかもの気持ちが入ります
could でも can と同じように、可能性の大きさは関係ないようです

She could have gone home.

彼女は家に帰ったんじゃないかな?

過去のことは完了形にします

注意が必要な使い方

The team could win.

そのチームは勝つかもしれない

The team could have won.

そのチームは勝ったかもしれない

完了形だと、まだ結果を知らないか勝てなかったことが伝わります
日本語でも同じで「勝ったかもしれないが勝った」と言ったら違和感がありますね

The story could be true, but don’t think it is.

その話は正しいかもしれないが、私はそうは思わない

ここで can を使うと、「その話は正しいと思っているが、私はそうは思わない」のような変な感じになります
can はそうだと思っている、could は違うこともあるというイメージのためです

否定文

  • can’t   可能性がない、はずがない
  • couldn’t  可能性がない

どちらも可能性がないと思っているときに使います

(can)

That can’t be right.

それはありえない

This can’t be the right road.

この道が正しいわけがない

It can’t be easy caring for someone else’s children.

他人の子供の世話をするのは簡単なことではないはずだ

(could)

That couldn’t be true.

そんなはずはない

That couldn’t be wrong.

それは間違っているはずがない

(比較)

She cannot have done such a thing.

彼女がそんなことをしたはずがない

She couldn’t have done such a thing.

彼女がそんなことをしたはずがない

過去の話は完了形にします
否定文は can’t, couldn’t どちらも完了形にでき、同じ意味になります

can, could の使い方4:仮定法

仮の話のときは could を使います
if条件文も仮の話なので過去形になります

(比較)

I can if I want to.

しようと思えばできる(するつもり)

I could if I wanted to.

しようと思えばできるのだが(しないつもり)

現在形だと現実の話で、直接法と言われています
現実の話なので、できればするつもりです

仮の話にするには、仮定法と言われる過去形にします
仮の話なので、しないつもりで話しています

(現在)

If I could go, I would.

(行けないけど)もし行けたら、行くだろう

could を使っていますが現在時制です
過去の話にするには、次のように完了形にします

(過去)

I could have picked you up if you had told me.

言ってくれれば迎えに行けたのに

Why did you do that? You could’ve hurt yourself.

なんでそんなことしたの?怪我をしていたかもしれないよ

He could’ve gotten lost.

道に迷ったのかも

He could’ve overslept.

寝坊したのかも

if などの条件文がなくても仮の話をしていることがよくあります
会話では、if条件文などの状況を既に話しているためです

(現在)

We could eat out.

食事に行くこともできる

I could also quit my job.

仕事を辞めるほうがましだ(辞めることできる)

I could get a large pizza and we could share it.

大きなピザを頼んで分けることもできるよ

この could は「するならできるよ」という軽い提案になります

Well, I guess I could ask my mom to do it.

うーん、ママに頼めるかも

I wish I could, but you know what I can do.

できればいいけど、私ができることは知っているでしょ

I wonder if I could just ask you to sign this.

これにサインしていただけないでしょうか

guess, wish, wounder これらはできるかどうか分からない気持ちで使っています
それらに続く言葉も、できないかもの気持ちの could が合います

(否定)

I couldn’t ride a horse.

私にはとても馬になんか乗れない

(過去)

I couldn’t have done it without you.

皆さんがいなければできなかった

これは勝利したときのコメントなどで使われます

can, could の使い方5:不満・大げさ・反語

もっと早く言ってよ!

英語では何といいますか?

Tell me that yesterday.

昨日言ってくれ

You could’ve told me earlier!

もっと早く言うことができた

あなたはどちらを使いますか?

不満・驚き

Can it be true?

いったい本当なの?(本当の可能性があるの?)

How can you be so stupid!

どうしてそんなに馬鹿なことができるんだ!

The rumor can’t be true. She must be mistaken.

噂は本当のはずがない。彼女は間違っている

can の肯定文は、普通にできる/することに使います
疑問文や否定文にすることで、想定外の行動に対する不満や驚きも表現できます

You could have told me you were going to be late.

遅くなると言ってくれればよかったのに

You could at least say that you’re sorry.

せめて「ごめんね」と言えばいいのに

How could you be so stupid!

どうしてそんなに馬鹿なんだ!

could は、してないことや想定外のことに対して使っています
「もっと早く言ってよ」も、このパターンで言うのが普通です
(補足)Tell me that yesterday. (昨日言え!)などのできないことは発想すらしないそうです

大げさに言う

I was so tired I could have slept for an entire week.

疲れた~、1週間寝れそうだ

I’m so hungry, I could eat 10 bowls of ramen right now.

お腹空いた、ラーメン10杯でも食べれるよ

できないことなので can は使いません

反語:否定の比較級

How are you?
I couldn’t be better.

お元気ですか?
最高です(これ以上良くならない)

It couldn’t have been better!

最高だった

完了形にすると過去の話になります

補足

日本人は現状を伝えて結論を察してもらいます
英語は結論は言うけど、直接言わず間接的に表現するのが好まれます

couldn’t + 比較級 は日本人になじみのない反語を使った間接的表現です
慣れない日本人は better の否定で、良くないと感じてしまいます

英語の基本は言葉通りなのですが、反語や比喩、そのほか間接的な表現が多いので早く慣れたいですね
日本人が行間を読むのと同じようなことを、別の形でしているようです

can, could を能力や可能で使う

ここまでは例文を中心に見てきました
ここからは解説が中心になります

can, could の意味:「能力、可能、許可」

日本語の「できる」の意味を考えてみましょう

You can do it.

それをすることができる

・する能力がある     能力
・できる条件が揃っている 可能
・してもいい       許可

英語の can も日本語の「できる」とほぼ同じです
次のようなできる状態のイメージになります

  1. 能力がある
  2. 機会、時間、設備などがあり可能である
  3. 許可されている(制限されていない)
補足

日本語の「許可」は権限がある人が許可するイメージが強く、英語では may に近いです
can はもっと軽く「してもいいよ」と言っている感じです
とはいえ「許可」がなじみがあるので、ここでもそのまま使います

日本語の「できる、できた」のイメージを考えてみましょう

・能力があり制限がなくできる状態にある
・実際の行動も含んでいる感じ

助動詞の can, could は modals なので、頭で考えている気持ちです

・できる状態を考えていて、実際の行動は含まない

そのため行動できることも、できないこともあります
実際の行動は be able to を使います

(補足)実際の行動に使える言葉

got to do     (機会があり)できた
was able to do   (能力があり)できた
managed to do   (苦労して)できた
succeeded in doing (続けてきたことが)成功した

現在形の can は行動する前の状態なので be able to とほぼ同じです
ほぼ同じ意味なので、短い can が好まれています

I can swim.

泳げます

過去の話だと少し違います

The boat sank, but as he could swim he was able to reach the bank safely.

船は沈没したが、彼は泳げたので無事に土手までたどり着けた

このように過去の出来事では could はできる状態を表現し、実際にできたことは was able to を使っています

could が使えるときと使えないときの区別は簡単ではありません
ここでは気持ち(できた状態)か行動かの違いと解釈しています
助動詞がmodal(気持ち)を表わすものだからです
よくある説明では、いつもできたことか、ある1回の行動かで区別しています
どちらにしろ解釈だけでは難しいので、個別の事例で使い分けに慣れるしかなさそうです

ものに使う:「可能、可能性」

ものにも使えます

ものには気持ちはありません
そのため、能力や許可は不自然ですね
(擬人化して、そのモノが持つ能力と考えることはできます)
どちらにしろ、話し手が「可能だ」と考えている気持ちの表現になります

AI can create art.

AIはアートを作成できます

可能とは、100%の可能性だと考える事もできます
「可能性」については、推量の使い方で別途説明します

can, could, be able to の比較

can, could, be able to を比較してみます
気持ちと事実の再確認です

(現在の能力)

① I can swim two miles.

2マイル泳げます(約3.2Km)

② I could swim two miles.

2マイルは泳げる(仮に泳げば)

③ I’m able to swim two miles.

2マイル泳げます

④ I was able to swim two miles.

2マイル泳いだ(比較用)

(off topic)大谷翔平さんの投球が100マイル約161キロ)と話題になりましたね
mile(マイル)とKm(キロ)の変換を覚えるのに役立ちます

(過去の能力)

⑤ In my twenties, I could swim two miles.

20代の頃は、2マイルは泳げた(仮に泳げば)

⑥ In my twenties, I was able to swim two miles.

20代の頃は、2マイル泳いだ

(未来の提案)

⑦ we can go swimming after lunch.

お昼の後で泳ぎに行けるよ

⑧ we could go swimming after lunch.

お昼の後で泳ぎに行くこともできるよ(行きたいなら)

①can は自分の気持ちで、自信を持って泳げると言っています
②could は泳げないかもの気持ちが入っています
③am able to は泳げるという事実を言っています
④was able to は泳げたと過去の事実を言っています
(過去の能力)
⑤could は過去に泳げる状態だったと気持ちを言っています
⑥was able to は過去に泳いだ事実を言っています
(未来の提案)
⑦can は泳ぎに行けると未来の提案をしています
⑧could は泳ぎに行くこともできると控えめの提案をしています
(補足)can, could 共に時制が分かる言葉があると、その時制の話になります

(1)can と be able to の違い

日本語の「できる」は、気持ちと行動の両方の意味があります
英語では、can は気持ちで、be able to は行動(能力)に分かれています

(2)助動詞(can, could)の時制について

could は過去形と思っている人は多いと思います
でも、②のように時制が分からないときは現在の仮の話と考えるのが自然です

⑤のように過去の話と分かる状況があって初めて過去だと分かります
⑦⑧のように、can, could は未来のことも表現できます

(3)could の比較

②⑤を見比べると、時制に関係なくcould が使われています
そして、どちらの意味も同じです(時制は話の状況に依存する)

これらの例を見ると could は過去形ではなく過去形でも使えると考えるのが自然な感じです
これは理解するための一つの解釈です
過去形と考えるのが理解しやすければ、それがいいと思います

can, could を推量・可能性で使う

can, could の前に will, would の推量の使い方の確認です

  • will  そうでしょう
    正しいと思っている
  • would そうなのでしょう
    正しくないかもの気持ちが入る

正しいと思う気持ちの強さで使い分けています

can, could は次の通りです

  • can  可能性がある
    経験に基づき、可能性があること
  • could 可能性があるだろう
    可能性はあるけど、そうでないかもの気持ちが入る

日本語で「可能性がある」と「可能性があるだろう」の違いを考えてみてください
英語のcan と could の違いも日本語とほぼ同じです

can は客観的な事実で、could はそれに「だろう」の気持ちが入っている感じですね

can は客観的に「可能性」を言ってるだけである
話し手の気持ちが入らないので「推量」ではないと言う人もいます

can と could では、話し手の気持ちが違うのは確かです
でも、どちらでも使える状況は多くあります

can は「可能性がある」です
経験により一度でもあると思えば可能性があるになります
頻繁に起こることでも可能性があると言えます

例文を見てみましょう

① This hall can hold of 100 people.

このホールは100人収容できます

② The weather can change very quickly in the mountains.

山の天気はすぐに変わる(可能性がある)

③ It can be quite cold here at night.

夜、ここはかなり寒いことがある

④ Even the best doctors can make a mistake.

名医でもミスすることはあり得る

①はほぼ100%の可能性なので、可能とか能力に分類することもあります
③はときどき起きることです
④はめったに起きないことです

日本語だと「できる」「ことがある」「あり得る」などの表現ができます
可能性の大きさは関係なく、可能性だけを表現しています

GIUでは、②と次の⑥を比較して、一般的な話は can, そうでなければ could と説明しています
客観的な可能性は、一般的な話と重なりそうです

ここではモノに can, could を使う場合は全て可能性にしています
話し手が可能性を判断しているとしてまとめた方が理解しやすいと考えているためです
人により理解の仕方は違うので、自分に合った解釈をするのが一番いいことです

続いてcould の例文です

⑤ From the looks of those clouds, it could rain any moment.

あの雲の様子では今にも雨になりそうだ

⑥ The weather is nice now, but it could change later.

天気はいいけど、後で変わりそうだ

⑦ He could be in his office.

彼は事務所にいるかもしれない

⑧ A big earthquake could happen in the next few decades.

大地震があと数十年以内に起こるかもしれない

⑨ The team could have won.

そのチームは勝ったかもしれない

⑤はかなり高い可能性です
⑦の可能性は分からないですね、状況により違いそうです
⑧はかなり低い感じです
⑨のように完了形にすれば過去の可能性になります

肯定文で使うときの再確認です

will, could は正しいという気持ちの強さで使い分けています
can, could は可能性の大きさではなく、可能性があれば can、あるだろうの気持ちが入ると could です
(一般的なことか、個別のことかの視点でも大丈夫です)

否定文(can’t, couldn’t)

否定文は、どちらも可能性がないと思っているときに使います

(比較用)

They must be correct.

正しいはずだ

推量でmust の否定文を使うことはありません
代わりに can, could を使います

They can’t   be correct.

正しいはずがない

They couldn’t be correct.

正しいはずがない

can’t も couldn’t も同じ意味になります

That can’t be right.

そんなはずはない

This can’t be the right road.

この道が正しいわけがない

That couldn’t be true.

それはありえない

That couldn’t be wrong.

それは間違っているはずがない

She cannot have done such a thing.

彼女がそんなことをしたはずがない

過去の話は完了形にします
can’t でも完了形で過去の話になります

could を仮定法で使う

仮定法は仮の話なので could を使います

仮の話をするときは、could に限らず動詞は過去形にします
動詞が過去形でも現在の話です

仮定法とそれ以外の使い方の違いを見てみます
例文で比較してみましょう

①(実際の話)

I can if I want to.

しようと思えばできる

②(仮の話1)

If I could go, I would.

行けたらよいが(行けそうもない)

You could get a new job if you spoke English.

英語が話せたら新しい仕事が見つかるよ

③(現在の提案)

I could go tomorrow.

明日行けるよ(提案)

I could go on about it if you want.

あなたが望むなら、続けることができます

④(仮の話2)

I could go on about it if you wanted.

あなたが望んだら、続けることができるけど(しない)

⑤(仮の話3)

I wish I could, but you know what I can do.

できればいいけど、私ができることは知っているでしょ

The American version is tough titty. (laughs)
I wonder if I could say it without smiling.

アメリカバージョン(笑)
笑わずに言えたかな?

⑥(過去の実際の話)

15 years ago, I could speak German.

15年前、ドイツ語を話すことができました

In those days you could smoke in the room.

当時は部屋で煙草が吸えました

⑦(推量・可能性の話:自分には使わないですね)

That could be Joe’s.

それはジョーのかも

He could be in his office.

彼は事務所にいるかもしれない

①can だと実際の話で、するつもりです
③提案のcould は、相手が望めばするつもりです
②④仮の話のcould は、するつもりがありません
⑤仮の話のcouldは、したいけどできないだろうです
⑥過去の話の中なので could は過去にできた状態です
⑦ものに使えば推量・可能性です(人にも使える)

仮の話は②④⑤で、するつもりがないか、したいけどできないだろうになります
提案③のcould は、相手が望めばするつもりです

普通の会話では、どちらの意味か分かると思います
一部を切り出すと、いろいろな意味を想定しなければいけなくなります

話すときは、するつもりがないか、したくてもできないなら could です

仮定法の話は書ききれないので、改めて別の機会にまとめます

could と相性がいい動詞

五感を表わす動詞などは人に備わっている能力です
そのため、能力を表わす could と相性良く使えます

主な動詞は次のものです

・見える   see
・聞ける   hear
・臭える   smell
・味わえる  taste
・感じられる feel
・思い出せる remember
・理解できる understand

これらが状態を表しているときは、過去時制の could と一緒に使えます
これらは状態動詞で通常は進行形にならない動詞です
could と一緒に使い、動作ではなく過去の状態をイメージしているのかもしれません

We had a lovely room in the hotel. We could see the lake.

ホテルの素敵な部屋から、湖を見ることができた

I could hear a door slamming.

ドアがバタバタと音がするのが聞こえていた

I heard a door slam.

ドアが閉じる音が聞こえた

・見えていた状態、聞こえていた状態には could が使える
・実際の1回の音を聞いたことには could は使わない
この辺りの使い分けは、理屈で考えるには無理があり慣れるしかなさそうです

おわりに

can, could の使い方で誤解しているものがありました
主なものは次の2つです
・can で可能性を言う場合:可能性の大きさに関係なく、可能性のあるものにはなんでも使える
・could で過去にできたことを言う場合:具体的にできた事実は could は使わない

会話ではネイティブでも間違えることはあります
必要以上に誤解や間違いを気にせず、会話を楽しみましょう


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