shall は丁寧で古風(old-fashioned)なイメージです
そのため shall ではなく will や別の言い方が好まれます
とはいえ、限られた状況では健在です
助動詞 shall の使い方を例文をベースに説明します
前置詞の意味は、辞書と文法書に載っているものをベースに再分類しました
前置詞の記事の内容と例文で参考にした主なものはこちらです
<文法書、辞書>
・English Grammer in Use(GIU)
・Cambridge English Dictionary(Cambridge)
・新英和中辞典:研究社(辞書)
<英語学習サイト&Video>
BBC Learning English (BBC Learning)
EnglishClass101 (EC101)
English with Lucy
mmmEnglish
engVid
<その他>
YouGlish(主に例文に利用)
ネイティブのYoutuberなど
真・英文法大全(関正生 著)
一億人の英文法(大西泰斗 著)
実践ロイヤル英文法(綿貫陽 著)
記載内容の信頼性のために、情報源の名称や略称などを記述している所があります
shall の使い方について
分類
shall は「当然行う」ことを示す言葉です
丁寧で古風な表現なので現在ではあまり使われていません
今でも使われているものをまとめました
このあとの例文は次のように分類しています
①自分がすること(未来)
- will とほぼ同じ未来の意味
- 自分の意志というより当然行うというイメージ
②相手に提案、提供する
- 相手がして欲しいだろうと思うこと
- 相手が当然するだろうと思うこと
③するのが当然もの(規則など書かれているもの)
- 規則集、道徳、正しい手順など
説明だけでは分かりにくいですね
この後の例文を見れば、少しは理解しやすくなります
shall の使い方1:未来
未来の意味で、主語が I, we のときは will の代わりに使えます
丁寧で古風(old-fashioned)な表現なので、あまり使わない傾向です
(比較)
I will return.
私は帰ってきます
I shall return.
私は必ず帰ってくる
will は強い意志です
shall は結果まで含む強い意志を感じます
I shall have to be careful.
気をつけなければなりません
I shall never forget you.
あなたのことは決して忘れません
We shall be away next week.
私たちは来週不在になります
(比較)
I will see you tomorrow.
I shall see you tomorrow.
I‘ll see you tomorrow.
明日お会いしましょう
・ほぼ同じ意味です
・口語では短縮形が普通です
shall も will も短縮形は I’ll になります
shall はとても丁寧に聞こえます
口語では短縮形の I’ll を使うのが一般的です
アメリカ英語では、この意味では shall は使わない傾向があります(EC101)
また、普通は I, we が主語のときに使います(GIU)
(否定文)
You shan’t lie.
嘘をついてはなりません
否定は shall not 短縮形は shan’t です
アメリカ英語では shall not を使います。短縮形は使用しません(EC101)
You shall not pass.
ここは断じて通さん!
これは知っている人もいるかもしれません
ロード・オブ・ザ・リングの有名なセリフです
映画などでは、I, we 以外の主語で使われることもあります
shall の使い方2:提案、提供
Shall I jump in?
飛び込みましょうか?
Shall I try it yeah?
それをしましょうか?
So, shall we begin?
それでは始めましょうか?
Shall we shake hands?
握手をしましょうか?
Shall we go now?
さて、行きますか?
Shall I open the window?
窓を開けましょうか?
相手がOKするだろうと思うときに使います
shall は「行こうか、開けようか」ではなく「行きましょうか、開けましょうか」のイメージです
かなり丁寧な言い方になるので、そんな雰囲気のときに使えます
映画の話などをしていて、その流れで次のように聞くことがあります
(比較)
(Let’s go to the movies) shall we?
(映画に行こう) 行きますか?
(Let’s go to the movies) yes?
(映画に行こう) 行く?
Do you want to go to the movies?
映画に行きたい?
前半を省略し shall we? 単独で使うことがあります
日本語で「行きますか?」と聞くのと同じ感覚です
yes? とも聞けます
shall we は yes より丁寧に聞こえます
do you want と聞くのと同じ意味になります
アドバイスを求めるときなどに使うことがあります
What shall we do now?
どうしましょうか?
話し手が聞きたいと思っているのではなく、相手の考えを聞いているイメージです
慣用句で次のような言い方もあります
Your report was, shall we say, a little lacking.
あなたのレポートは、なんというか、ちょっと物足りなかったです
shall we say :なんと言うか、まあ言ってみれば
発言や批判を和らげるために文中に入れたりします
shall の使い方3:規則集など
公式文書で使用される正式な形式で、法律や規則、指示などを書くときに使います
This fire escape shall be kept clear at all times.
この非常階段は常に空けておく必要があります
当然そうしておくべきことです
The days off of employees shall be as follows.
従業員の休日は次のとおりとする
These Regulations shall come into effect from April 1, 2020.
この規則は、2020 年 4 月 1 日から施行されるものとする
All payments shall be made in cash.
お支払いはすべて現金でお願いいたします
話し言葉で聞くより書面で見ることが多いかもしれません(engVid)
shall と should の意味
ここまでは例文を中心に見てきました
ここからは解説が中心になります
shall の意味
(肯定文、否定文)
I shall return.
必ず帰ってくる
You shall not pass.
ここは断じて通さん!
(疑問文)
Shall we go now?
さて、行きますか?
Shall I pick that up?
それを拾いましょうか?
What shall we do now?
どうしましょうか?
Annual Paid Leave shall be leave in a calendar year.
年次有給休暇は暦年単位の休暇とする
shall は運命で決まっていて当然するだろうのようなイメージがあります
宗教や道徳的にするべきこともこれになります
当然する、当然起きることなので相手や状況に依存します
肯定文、否定文では必ずそうなると考えているので、話し手の強い意志を感じます
疑問文で相手に聞くときは、相手はそれを望んでいると思って聞いています
相手の意志を尊重するので丁寧な言葉になります
時制の一致で shall の過去形は should になります
should も当然すべきことを考えています
違いは、should は当然すべきだがしないことも想定しています
should の詳細は省略しますが、それも含めても「当然のこと」が共通のイメージになりそうです
自分の意志よりも、相手や状況によって当然すべき、当然そうであるもののイメージです
・must :義務や必要性で絶対にしなければならないこと
・shall, should :運命や宗教で当然そうなる、当然すべきこと
shall と will の違い
(比較)
I shall see you tomorrow.
明日お会いしましょう
I will see you tomorrow.
明日会おうね
shall は will に比べて丁寧です
ただし、口語では普通短縮形を使います
(省略形)
I’ll see you tomorrow.
また明日会いましょう
こうなると、どちらか分からなくなります
友達にこの用法の I shall… で話し始めると、古風で丁寧すぎるので少し驚くかもしれません(engVid)
肯定文は大体同じ意味ですが、疑問文になると少し意味が変わります
(比較)
What time shall we arrive?
何時に着きましょうか?
What time will we arrive?
何時に着きますか?
相手の気持ちを聞いているのと、これから起こることを聞いているのとの違いがあります
相手の気持ちは、shall の代わりに次のように聞くのが普通です
(言い換え)
What time do you want to arrive?
何時ごろ着きたいかな?
What time would you like to arrive?
何時ごろ到着をご希望ですか?
主語も we から you に変わっています
shall が自分ではなく相手の気持を気にしていることが分かります
shall と should の違い
(比較)
I shall return.
必ず戻ってくる
I should return.
戻るべきですね
shall は強い決意を感じます
should は当然戻ってくるものだと考えています
(比較)
You shan’t lie.
嘘をついてはなりません
You mustn’t lie.
嘘をついてはいけません
You shouldn’t lie.
嘘をつくべきではありません
shan’t は禁止です
mustn’t でも同じ禁止の意味になります
shouldn’t は当然良くないことだと言っている感じです
(比較)
Shall we go home now?
さて、帰りましょうか?
Should we go home now?
そろそろ帰ろうか?
shall は相手もそのつもりだと思っています
should はそうしたいよねと問いかけている感じです
shall , should どちらも「当然そうする」ことです
ただ、必ず実行するか、しないかもの気持ちが入るかで日本語のイメージは大きく違います
これは一つの解釈であり、違う解釈もあります
どんな解釈をするかは自分しだいです
解釈よりも、自分なりの解釈をして正しく使うことが重要です
shall の言い換え方
肯定文の言い換えは will ですね
口語では省略形を使うのが普通で、どちらも同じになるので意識する必要はないでしょう
否定の shan’t は禁止なので mustn’t に置き換えられます
疑問文は次のようになります
shall I の言い換え
相手に、私がして欲しいかを聞くことになります
- 普通:Do you want me to…?
- 丁寧:Would you like me to…?
友人や家族などの親しい間柄と、あまり親しくない相手や仕事などで使い分けたいですね
(比較)
Shall I pick that up?
拾いましょうか?
Do you want me to pick that up?
拾おうか?
Would you like me to pick that up?
拾ってあげましょうか?
Shall I hold your bag?
荷物をお持ちしましょうか?
Do you want me to hold your bag?
荷物を持ってほしい?
Would you like me to hold your bag?
荷物を持ちましょうか?
shall we の言い換え
shall I は話し手がすることですが、shall we は一緒にすることなので少し表現が違います
- 普通:Let’s….
- 普通:Why don’t we….
why don’t we は気軽な言い方ですが、間接的なので使いやすい表現です
(比較)
Shall we play a game?
ゲームをしましょうか?
Let’s play a game.
ゲームをしよう
Why don’t we play a game?
ゲームをしませんか?
Shall we go to Starbucks?
スターバックスに行きましょうか?
Let’s go to Starbucks.
スタバに行こう
Why don’t we go to Starbucks?
スタバに行きませんか?
おわりに
いろいろ書きましたが、shall はほとんど使う機会はなと思います
イギリス英語では使われていますが、だんだん減ってきているようです
アメリカ英語では Shall we go now. (行きますか)を覚えておけば十分かもしれません
自分で使わなくても、見たり聞いたりすることはあります
知識として、丁寧に言ったり公式な文章に使われることを知っていれば安心できます
最後までお読みいただきありがとうございます
このブログが、みなさんの英会話習得の助けになることを期待しています