may と might 意味の違いと使い方(許可、たぶん、願い)

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may と might の意味の違いと使い方

助動詞 may と might の使い方を、例文をベースに説明します

may, might はあまり使わないイメージがありました

may は丁寧な表現なので日常会話ではあまり使わないようです
でも、かしこまった相手や場所では使われています
might も、推量(かもしれない)の意味で使われています

助動詞の記事の内容と例文で参考にした主なものはこちらです

今回の例文と解説は、できる限りネイティブか専門家のものをベースにしています
<文法書、辞書>
・English Grammer in Use(GIU)
・Cambridge English Dictionary(Cambridge)
・ロングマン現代英英辞典
・新英和中辞典
<英語学習サイト&Video>
・BBC Learning English
・English with Lucy
<その他>
・YouGlish
・英語の法助動詞(中野清治 著)


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目次

may, might の使い方の分類と時制について

分類

may と might は許可や不確実なことに使います
理解しやすくするため、このあとの例文は次のように分類しています

許可、してよろしい

  • 自分がすること
    (許可をもらう)
  • 相手がすること
    (許可を与える)
  • 一般的なこと
    (許可されている)

推量・不確実

  • かもしれない
    (相手しだい)
    (状況しだい)
    (不確実な未来)
  • そうかも、違うかも

その他

  • 願い
  • したほうがましだ
  • 仮定法(might)

時制と使い方について

may が表現しているもの

may, might は他の助動詞と違う部分があります

must, will, can などは自分の気持ちです
それに対して may は自分の気持ち+相手の気持ちです

相手や状況しだいになります

時制について

時制の一致で might は may の過去形になります

それ以外は may, might ではなく話の内容で時制が決まります
時制に関係なく may, might どちらもほぼ同じ意味で使えます

次のように意味別に分かれて使う傾向があります

  • may  許可の意味で使う
  • might 推量(不確実)の意味で使う
スクロールできます
意味maymight
許可丁寧な許可
(許可をもらう)
(許可を与える)
(許可されている)
より丁寧な許可
△(イギリス英語)
推量・
不確実
丁寧な推量
(かもしれない)
普通の推量
(かもしれない)
その他願望・願い
(ありますように)
したほうがましだ


したほうがましだ
仮定法
(したのに)

(補足)丁寧さについて
使う助動詞で丁寧さが変わります
許可の意味
can  普通
・may  丁寧
・might より丁寧
推量・不確実の意味
・may  丁寧
night 普通

説明だけでは分かりにくいですね
例文を見れば、少しは理解しやすくなります

may, might の使い方1:許可

may と might

may と might、ほぼ同じ意味ですが丁寧さが違います

(may)

May I use this one?

これを使ってもいいですか?

May I come in and wait?

入って待ってもいいですか?

(比較)

May I ask you your name?

お名前をお伺いしてもよろしいですか?

May I have your name please?

お名前を頂いてもよろしいでしょうか?

Can I have your name please?

お名前を伺ってもいいですか?

Could you please tell me your name?

お名前を教えていただけますか?

May I は can や could を使うより丁寧な表現になります
日常会話では may は丁寧すぎるので can, could がよく使われます

might で許可を得ることもできます

(might)

Might I help you?

お手伝いいたしましょうか?

Might I ask a question?

質問してもよろしゅうございますか?

許可を求めるときの may よりさらに丁寧な形式として使用されます
イギリス英語です
現代アメリカ英語では使われません(EC101, Cambridge)

自分に使う

May I use your pen?

あなたのペンを使ってもよろしいですか?

Sure.

もちろん

May I で聞かれたときの返事は yes や sure, okay などが普通です
Yes, you may. と答えると「よろしいです」のような感じになるので気を付けましょう

次のように、if I may (よろしければ)と言って話を続けることもありあす

Let me, if I may, just give you one more story.

よろしければ、もう1つお話をさせてください

I’m going to read it, if I may, because I brought it to read it.

読むために持ってきたので、よろしければ読んでみます

I’ll quote you, if I may.

よろしければ引用させていただきます

Yeah.

どうぞ

疑問文(may I)は、相手に許可を求めています
条件文(If I may)も、相手に許可を求めています
次のような肯定文では、相手に許可を与えています

相手に使う

Thank you. You may go now.

ありがとう。 もう行ってもよろしい

I told him that he might go.

彼に行ってもいいと言ったんだ

日常会話では、この使い方はまれでしょう
許可を与えるという上下関係を感じるので使わない傾向です

他人に使う

He asked if he might accompany her.

彼は彼女に同行してもよいかと尋ねた

A reader may borrow up to six books at any one time.

読者は一度に6冊まで本を借りることができます

許可する意味で、このような使い方もできます
あまり使わないと思いますが参考にしてください

may, might の使い方2:推量・不確実

かもしれない

イメージ的には、may より might が可能性が低い感じです
五分五分かそれ以下で、使う人の気持ちしだいです

I may be late.

遅れるかもしれません

I might be late.

遅れるかもしれません

Well, I may have been wrong.

まあ、私は間違っていたかもしれません

I might visit a restaurant later today.

今日は後でレストランに行くかもしれません

may be は maybe の語源です
maybe は副詞なので文中で使う位置が違います
It may be too cold. (寒すぎるかもしれません)
Maybe it will be too cold. (たぶん寒すぎるでしょう)

Oops! ?

最近まで自分のことを推量することはないと思っていました
Well, I may have been wrong. (間違っていたようです)

(現在)

He may be in his office.

彼はオフィスにいるかもしれません

He might be in his office.

彼はオフィスにいるかもしれません

(未来)

It may rain tomorrow.

明日は雨が降るかもしれません

It might rain tomorrow.

明日は雨が降るかもしれません

It could rain tomorrow.

明日は雨が降る可能性がありそう

推量では、may も might もほぼ同じ意味になります(GIU, BBC Learning他)
可能性の場合、could も同じように使えます(BBC learning)

(未来:比較)

I’m going to Hawaii soon.

ハワイに行くつもりです

I may be going to Hawaii soon.

ハワイに行くかもしれない

may があると、ハワイに行く可能性がグッと下がります

(過去:時制の一致)

I thought you might be a good one for that one.

あなたはその人にふさわしいと思いました

I thought that you might be interested in this blog.

このブログに興味を持っているかもしれないと思いました

(過去)

You may have seen the movie.

この映画を見たことがあるかもしれません

The rain might have stopped by now.

雨はもう止んだかもしれません

We might have been wrong about something.

私たちは何か間違っていたかもしれません

You might have noticed my new backdrop today.

今日、私の新しい背景に気づいたかもしれません

may+完了形 も過去の話に使えます(GIU)

アメリカ英語では may ではなく might を使うのが一般的です(EC101)
かしこまった相手や場所では、丁寧な may も使います

(疑問文:比較)

How do you do it?

どのようにしますか?

How would you do it?

どのようにするつもりですか?

How might you do it?

どのようにするかもしれないですか?

What do you learn?

あなたは何を学びますか?

What might you learn?

あなたは何を学ぶかもしれないですか?

助動詞なし:すること(直接的に聞いている:私は知りたい)
助動詞あり:するかもしれないこと(相手の考えを聞いている感じ)
助動詞を使うことで少し柔らかい表現になります

(否定文)

The information may not be correct.

情報は正しくないかもしれません

The information mightn’t be correct.

情報は正しくないかもしれません

The information might not be correct.

情報は正しくないかもしれません

may の否定は may not だけです
might の否定は might not, mightn’t どちらでも大丈夫です(BBC Learning他)

そうかも、違うかも

There may or may not be evidence for that.

その証拠があるかも、ないかもしれない

It may or may not be true, but that’s what we go by.

それは真実かも、そうでないかもしれませんが、それが私たちが行っていることです

That might or might not be realized.

それは実現するかも、しないかもしれない

It might or might not be a good thing.

それは良いことかも、そうでないかもしれません

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない
may or may not や might or might not という言い方もします
この使い方を見ると may も might も五分五分の感じですね

may, might の使い方3:願い・仮定法

願い・願望

May God bless you.

神のご加護がありますように

God bless you.

神のご加護を

Bless you.

ご加護を

アメリカでは、クシャミをしたときに近くにいる人から言われることがあります
普通は Bless you. が多いようです
知らない人から言われても、Thank you. と返事をしましょう
クシャミのときだけでなく、別れのあいさつなどで使うこともあります

May God be with you.

神と共にありますように

God be with you は goodbye の語源です

(比較)

May you succeed!

ご成功を祈る

I hope you will succeed.

成功を願っています

May you… :形式ばった表現です
I hope… : 普通はこちらを使います(辞書)
スターウォーズでおなじみの次の表現も同じですね

May the force be with you!

フォースと共にあらんことを!

I hope the force will be with you!

フォースが共にあることを願っています

いいかもしれない・したほうがましだ(may as well)

It’s free. So, you may as well go and get it.

無料だから、行ってもらってくるのもいいよ

We may as well pop over and see what’s what.

立ち寄って、何が何であるかを確認することもできます

Men and women might as well be from different planets.

男性と女性は異なる惑星から来たのかもしれません

I may as well die as do it.

私はそれをするくらいなら死んだほうがましだ

それをするなら死んだ方がいいかもしれない → 死んだほうがましだ

仮定法(might)

If they paid me better. I might work harder.

彼らがもっとお金を払っていたら、もっと働いた

してないことは might です
may は使いません(GIU)

may, might の意味

ここまでは例文を中心に見てきました
ここからは解説が中心になります

may の意味

(許可)

May I help you?

お助けしましょうか?

You may go now.

もう行ってよろしい

(推量:不確実)

It may rain tomorrow.

明日は雨かもしれません

You might have seen this.

あなたはこれを見たことがあるかもしれません

There may or may not be evidence for that.

その証拠があるかも、ないかもしれない

日本語では許可推量で異なったイメージがあります
でも同じmay, might が使われています
どちらにも共通するイメージは何でしょうか?

May I help you?

助けるのは相手しだい

You may go now.

(良きに計らえ)相手しだい

It may rain tomorrow.

雨が降るかは状況しだい

You might have seen this.

見ているかは相手しだい

There may or may not be evidence for that.

証拠があるかは状況しだい

自分も考えてはいるけど、相手や状況しだいが共通するイメージになりそうです

may, mightを自分に使う

may, might は推量の意味で自分の状態に使うことがあります
状態だけでなく自分の行動も推量することがあります

I might be wrong.

私は間違っているかもしれません

I may be going to Hawaii soon.

ハワイに行くかもしれない

May God be with you. について

肯定文にして意味を考えてみます

God may be with you.

神はあなたと共にあるだろう

これを疑問文にしたときの意味

May God be with you?

神はあなたと共にあるだろうか?

あるだろうか? → もちろんある
こんな感じだと思われます
一般に、この用法は倒置と言われています
よく聞く日本語らしい和訳だと次の通りです
「神と共にあらんことを」

別の観点で考えてみます
日本語らしい和訳ではなく、意味を解説してみます

(例文)

May I help you?

私があなたを助けるのを許可しますか?

May God be with you.

神があなたのそばにいるのを許可しますか?
→ もちろん許可する(してくれますように)

Why don’t you… なぜあなたは~しないの? → ~しませんか?
このような、英語でよくある反語的な言い方と同じ使い方をしているのかもしれません

許可は誰がするか?

nay, might は自分の気持ちだけでなく、相手も意識します
そのため、許可の意味では誰が許可するかに注意が必要です

  • 疑問文(may I)では相手に許可をもらう
  • 条件文(if I may)でも相手に許可をもらう
  • 肯定文(you may)では相手に許可を与える
  • 否定文(you may not)では相手に許可しない
  • 疑問文の形(may God, may youなど)で相手に祈願する

自分がしたい、または相手がしたい行動のときに許可になります
ただし、実際にするかしないかは相手しだいです

その場の状況や、したい事ではないときは推量になります
不確実なことで、相手や状況しだいの内容です

これは一つの解釈であり、違う解釈もあります
どんな解釈をするかは自分しだいです

may, might の主な使い方

アメリカの日常会話では may はあまり使われてないようです

アメリカの若者に聞いたインタビュー動画での話です
ネイティブの教育関連の動画でも、それに近い話をしていました

もう少し詳しく説明します

may の主な使い方は次の2つです

  • 許可する
  • 推量する

①許可する

may, can の本来の意味は次の通りです
may :許可する
can :能力がある

許可は文法的には may なのですが、今のアメリカ英語では can も多く使われています
may は丁寧な言葉であり、許可は上下関係をイメージさせるのが原因かもしれません

この意味での might は may より更に丁寧な表現になるので、なおさら使われません

文法を守る人や、かしこまった場所では may が合います
・may 許可(可能の意味でも使われる)
・can 能力(許可の意味でも使われる)

②推量する

  • may :そうかもしれない
    正しいと思っているけど状況しだい
  • might :そうかもしれない
    正しいと思っているけど違うかもの気持ちが入る
    こちらも状況しだい

英英辞典やネイティブの教育サイトでは、may, might, could は可能性として扱っています

次の使い方を見ると、どちらも五分五分ぐらいのイメージです

That may or may not be literally true.

それは文字通り真実かも、そうでないかもしれない

That might or might not be realized.

それは実現するかも、しないかもしれない

一般に、may は可能性が50%ぐらいで、might はもう少し低い30%とか言われることがあります
可能性が明確になっている訳ではありません
話し手の気持ちしだいで、五分五分かそれ以下ぐらいと考えていることです

可能性の場合、may, might と同じように could を使うこともできます
might、may、couldの間に意味の違いはほとんどありません(BBC Learning)
GIU では may, might は perhaps を、could は possible を使って説明しています
意味はほぼ同じですが、could は可能性が少し低いと感じているようです

He may be in his office.

彼はオフィスにいるかもしれません

He might be in his office.

彼はオフィスにいるかもしれません

He could be in his office.

彼はオフィスにいる可能性がありそうだ

推量の意味でも may は丁寧なイメージがあります
一方 might は、違うかもの気持ちが入るので親しみやすいイメージになります

アメリカ英語の日常会話では may ではなく might が一般的に使われています(EC101)

日常会話と正式な場所での会話

YouGlish や Google Ngram で「may I, may you」「I may, you may」を調べると、けっこう使われています
イギリス英語や、正式な場所では普通に使われているようです

アメリカ英語の日常会話を目指している人は、次のことをお勧めします

・許可を得るときは、may ではなく can を使う
・推量するときは may ではなく might を使う

アメリカ英語でも、特定の状況では may を使います
丁寧な表現なので、かしこまった場所ではそれなりに使われています
・先生や教授、会社の上司、ビジネスなど
・講演会などの一般の人の前で話すときなど

この辺りは実戦で慣れるしかないと思います

おわりに

アメリカの若者に聞くと、多くの人は may はほとんど使わないと言います

may は丁寧な言葉です
また、許可のイメージから上下関係を連想します

親しい関係の日常会話では丁寧すぎると思っているようです

許可の意味では、may よりも can がよく使われます
推量(かもしれない)の意味では、アメリカ英語では一般的に might を使います

英語を学んでいると、アメリカ英語とイギリス英語の違いが意外に多いと感じます
単語や発音の違いも多くあります

英会話を目的に学んでいるのであれば、どちらを使うか決めることをお勧めします
ちなみに、私はアメリカ英語を目指しています

最後までお読みいただきありがとうございます
このブログが、みなさんの英会話習得の助けになることを期待しています


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