英語の否定文!全体否定と分部否定、種類や使い方を例文で解説

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英語の否定文

日本語の否定文は「ない」を付けるのが普通です

英語の否定文も「not, no」を使えばできます

それは英語の否定表現のごく一部にすぎません
英語には日本語にはない否定表現がいくつもありまります
また、全体否定と分部否定、強調と控えめの表現について、日本語とイメージが違うので詳しく説明します
否定文を使った慣用表現も多くあり、覚えておくと表現の幅が広がります

このブログは、主に Cambridge dictionary(web)をベースにまとめました

このブログの内容と例文で参考にしたものはこちらです

できる限りネイティブが発信しているものをベースにしています
<文法書、辞書>
English Grammar in Use (GIU)
Cambridge English Dictionary(Cambridge)
ロングマン現代英英辞典
新英和中辞典:研究社(辞書)
<英語学習サイト&Video>
BBC Learning English (BBC)
EnglishClass101 (EC101)
English with Lucy
mmmEnglish
gymglish
engVid
YouGlish
<その他>
ネイティブのYoutuberなど
真・英文法大全(関正生 著)
一億人の英文法(大西泰斗 著)
実践ロイヤル英文法(綿貫陽 著)
日本人の英語(マーク・ピーターセン著)

記載内容の信頼性のために、情報源の名称や略称などを記述している所があります
(注)当ブログ内の多くの記事で参考にしているものです。1つの記事で全てを見ているわけではありせん


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目次

否定文の概要

日本語の否定文は、動詞や形容詞などに「ない」を付けます
・しない/できない
・正しくない/高くない

これに対して、英語の否定文はもっと多彩です

英語の否定の主なものを紹介します

  • 動詞に not を使う
  • 名詞に no を使う
  • 否定の代名詞(nobodyなど)を使う
  • 否定の副詞(never, hardlyなど)を使う
  • 否定の形容詞(little, fewなど)を使う
  • 否定の接頭語(unなど)/接尾語(lessなど)で単語を否定の意味にする
補足

not は助動詞との組み合わせ(don’t, isn’tなど)で多く使われます
それ以外にも便利な使い方がいろいろあります
(注)動詞に not と書きましたが、動詞以外の否定にも使えます
否定の慣用表現や、単語の意味(free, withoutなど)による否定表現も別途まとめています

否定文の種類

I don’t know him.

彼を知りません

There are no flowers in the garden.

庭には花はありません

We had nothing in common.

私たちには何の共通点もなかった

I have never seen her.

彼女に一度もあったことがありません

I hardly know him.

彼をほとんど知りません

I have rarely seen her lately.

最近は彼女をめったに見かけません

I have little mony with me.

お金はほとんど持っていません

There are few flowers in the garden.

庭には花はほとんどありません

I would like you to unlock the room.

部屋のカギを開けて欲しいのですが

This new printer is useless.

この新しいプリンタは役に立たない

否定文の使われ方

相手との会話で間接的に表現できるため、否定文は書き言葉よりも話し言葉が一般的です(Cambridge)

That’s wrong.

それ間違っているよ

That’s not exactly right.

必ずしも正しくないな

Is this the right address?

これは正しい住所ですか?

I’m not sure if this is the right address.

これが正しい住所かどうかわかりません

間違いを直接的に指摘するのではなく、間接的に和らげて表現します
こういった間接的な言い方は、日本語とは違う英語らしい表現です
言いにくいことを直接的に表現すると失礼になるので注意しましょう

基本的な否定文(例文)

否定:not, no, none, never

さまざまな方法で否定文になりますが、最も一般的なものは no、not、never、none、nobody などの否定の単語を使うものです。

I can’t believe it!

信じられない!

Don’t talk too long on the phone.

長電話はダメよ

It’s no problem.

問題ない

This is no simple task.

これは簡単な作業ではありません

None of this is sustainable.

これはどれも持続可能ではありません

No one knows me better than I do.

私以上に私のことを知っている人はいません

Nobody knows you better than you.

あなた以上にあなたのことを知っている人はいません

Nothing comes out of nothing.

無から有は生じない

There’s nowhere new to go and nothing new to see.

新しく行くところもないし見るものもありません

It is neither wise nor necessary to do so.

そうするのは賢明でもないし、その必要もない

She’s never been abroad.

彼女は海外に行ったことがない

You’ll never solve that problem.

その問題はいつまでたっても解決しないよ

Never give up.

(いつであろうと)決して諦めるな

Don’t give up.

(今)諦めるな

never は not ever(いつであろうとない)という時間の経過を感じます
今の目の前のことを「諦めるな」と言うなら don’t が合います

副詞: hardly, scarcely, rarely, seldom

英語は「ほとんどない」を副詞で表現できます
hardly などの副詞には「ない」の意味があるため、否定語の「not」は不要です

ほとんどない(程度):hardly, scarcely

We hardly even notice it.

私たちはそれにほとんど気づくことさえありません

The future is one we can hardly even imagine.

未来は私たちが想像することすらできないものです

This girl hardly ever paid attention.

この子はめったに集中したことがありませんでした

hardly は程度にも頻度にも使えます
hardly ever にすると頻度(めったにない)の意味が明確になります

We can scarcely imagine it.

私たちにはおおよそ想像できません

A unique book, it scarcely seems a book at all.

ユニークな本で、とても本とは思えません

hardly と scarcely はほぼ同じ意味です
Hardly は、scarcely よりもはるかに一般的で、scarcely のほうが丁寧です。(cambridge)

めったにない(頻度)rarely, seldom

Trust your own intuition. It’s rarely wrong.

自分自身の直感を信じてください。 間違うことはめったにありません

We very rarely get to see these two paintings together.

この二つの絵を一緒に見ることはめったにありません

I very seldom do things twice.

私は物事を二度行うことはまれにしかありません

rarely と seldom はほぼ同じ意味ですが、rarely をよく使います
seldom は丁寧で時代遅れのイメージがあると考えている人もいます

補足

scarcely, rarely, seldom は会話より文章で使うのがより一般的です(cambridge)
(注)Cambridge dictionaryには、rarely は会話より文章が一般的と書いていましたが、次の YouGlish での結果を見ると会話でも多く使われているようです

YouGlish と google Ngram での使用頻度

YouGlish(youtubeなど)

How to pronounce
 ”Hardly” in English (1 out of 12208):
 ”Hardly ever” in English (1 out of 908): 
 ”scarcely” in English (1 out of 780):
 ”rarely” in English (1 out of 13580): 
 ”seldom” in English (1 out of 1857):

google Ngram(書籍)

否定の副詞:Ngram

形容詞: little, few

There’s little hope.

ほとんど希望はありません

It got very little attention in the press.

マスコミではほとんど注目されませんでした

We found few differences.

違いはほとんどありませんでした

There are very few things I enjoy more than giving back.

恩返し以上に楽しいことはほとんどありません

接頭語、接尾語:dis-, -less, etc

接頭語や接尾語により、単語自体を否定の意味にできます
主なもの:de-、dis-、il-, im-, in-, ir-, mis-, non-, un-, -less

Life is unfair but get over it.

人生は不公平ですが、乗り越えてください

We don’t wanna moan and say that life isn’t fair, but clearly life isn’t fair.

人生は不公平だと嘆きたくないが、明らかに不公平だ

not fair は接頭語(un-)で unfair にできます
日本語で「公平でない公平」のどちらも使えるのと同じです

I couldn’t agree more.

これ以上同意できない(完全に同意)

I couldn’t disagree more.

これ以上反対できない(完全に反対)

補足

How are you? の返事
・Could be better.(もっと良くなれる:まあまあ)
・Couldn’t be better.(これ以上良くならない:最高)
上記の例と同様に、否定文で逆の気持を表現するのは、日本語にはない英語の文化です
間違いなく、この表現方法に慣れることがスムーズな会話のための重要な要素の一つです

Now, this was illegal at the time, OK?

さて、これは当時違法でした、いいですか?

What he said was very impolite.

彼の言ったことはとても失礼だった

The process is still inelegant but it works.

このプロセスはまだ洗練されていませんが、機能します

“Be” is a irregular verb.

Be動詞は不規則動詞です

That’s what we want, but in reality it’s impossible.

それが私たちが望んでいることですが、実際にはそれは不可能です

It can mislead the viewer.

視聴者を誤解させる可能性があります

I’m working nonstop.

私は休みなく働いています

I was not unhappy with the situation.

私はその状況に不満はありませんでした

This new printer is useless.

この新しいプリンタは役に立たない

The possibilities of AI are endless.

AIの可能性は無限大です

接頭語や接尾語で否定の意味になる単語は、これら以外にもたくさんあります

not の詳細な使い方

not の使い方で注意すべき内容をまとめました

not の短縮形

日常会話では not は短縮形が普通です

The girl isn’t here yet.

その娘はまだ来ていません

She‘s not here.

彼女はここにいない

主語が名詞のときは、助動詞+n’t(短縮形)がよく使われます
主語が代名詞のときは、助動詞を短縮形にして she’s not にすることもよくあります
助動詞と not、どちらを短縮してもかまいません
日常会話ではどちらかを短縮するのが普通です

The printer is not ready.

プリンターの準備ができておりません

not を短縮しないで使うと丁寧な表現になります
また、not をはっきり発音することで否定の強調ができます

動名詞、不定詞の否定

We end up not knowing what we don’t know.

私たちは結局、何が分からないのか分からないのです

It’s normal not to know what you’re doing.

自分が何をしているのか分からないのが普通です

動名詞(doing)、不定詞(to do)も not で否定できます
not の後に動名詞を使のは、より丁寧な表現です(cambridge)

It’s okay to not know what you want to do.

やりたいことが分からなくても大丈夫です

不定詞(to do)の否定では、to の後に not を使用できます
ただし、to not do は間違っていると考える人もいます(cambridge)

No eating in the laboratory.

研究室内では飲食禁止です

You do it by not eating.

食べないことでそれができます

I decided not to eat the chocolate.

私はチョコレートを食べないことに決めました

I am not telling you to not eat it.

食べないでとは言いません

no は名詞を否定 not は主に動詞を否定するので、飲食禁止は no eating が合いそうです

否定疑問文、否定命令文

短縮形(n’t)の代わりに not を使うと、より丁寧に聞こえたりより強調されたりします(Cambridge)

否定疑問文

Doesn’t he know?

彼は知らないのかな?

Does he not know?

彼は知らないのですか?

丁寧な表現は、主語の後に not です

Aren’t I lucky?

私は幸運ではないでしょうか?

I’m right, aren’t I?

そうですよね?

主語が I で be動詞の否定疑問文は aren’t を使います
付加疑問でも同じです

否定命令文

否定命令文は、don’t + 動詞の原形 にします

Don’t open the oven door until the cake is cooked.

ケーキが焼き上がるまでオーブンのドアを開けないように

PHOTOS: DO NOT BEND

写真: 曲げないでください

写真の入った封筒にこのように書かれていることもあります
don’t でなく do not にすることにより、丁寧でより強調されたイメージになります

We’re getting divorced. Don’t you dare tell anyone!

離婚することになった。 誰かに言ったりしないで!

日常会話では、命令を強調するために don’t + you が使えます
(補足)この例の dare は無くても大丈夫ですが、dare によって強い感情をこめて「言うなよ!」と迫っている感じになります(ChatGPTでの解説概要)

Don’t be what you’re not.

自分らしくない自分になってはいけません

Don’t be scared.(否定命令文)

怖がらないでください

Aren’t you hot? (否定疑問文)

暑くないですか?

be動詞の否定命令も don’t で始めます
時制を含むbe動詞(aren’t)で始めると否定疑問文になります

命令形以外にも動詞の原形を使うものがあります
仮定法現在でも、正式には動詞の原形を使い not の使い方も次のようになります

It’s best that you not be at the meeting.

ミーティングに参加しないのがベストです

I recommend that he not drink so much again.

もうあまり飲まれないことをお勧めします

仮定法現在では、動詞の前に not だけです(三単現の表現が不要だからでしょうか?)
be動詞も同じで not be にします

否定の対象:not の位置、think, hope

否定の範囲

I told him not to do that.

私は彼にそんなことはしないように言いました

I didn’t tell him to do that.

私は彼にそうするように言いませんでした

否定の not の位置で否定する部分が変わるのは、日本語も英語も同じです
日本語は「しない」の前を否定します
語順が違う英語は not の後を否定します

I don’t think

think に代表される自分の気持や考えを伝える動詞は、否定する対象が日本語の感覚と違うことがあります
・日本語:それは違うと思う
・英語:I don’t think it’s right.(それは正しいとは思わない)

I think it’s not right.

正しくない と思う

I don’t think it’s right.

正しい とは思わない

I think that he’s not right.

彼が正しくない と思う

I don’t think that he’s right.

彼が正しい とは思わない

英語ではもちろん I don’t think が普通の表現です
「正しくない(間違いの指摘)」と「正しいとは思わない(私の気持ち)」の違いです
間違いを直接的に指摘するのではなく、私の気持にして間接的に表現しています

これに類する主な動詞です
推測、信じる、見える、期待、想像、疑うなど、相手のことを考えているものです

guess

憶測する

suppose

推測する

think

考える

believe

信じる

seem

見える

expect

期待する

imagine

想像する

suspect

疑う

I don’t guess there’s much else I can say.

他に言えることはあまりないと思います

I don’t suppose you’d know where the taxi stand is?

タクシー乗り場がどこかご存知ないですか?

I don’t think I’ve ever been asked that.

そんなこと聞かれたことないと思うよ

I don’t believe that’s true.

それが本当だとは思えない

I don’t suppose you (would) know は、ご存じないですかと聞く定番のフレーズの一つです

I don’t seem to know where to start.

どこから始めればよいか分からないようです

I don’t expect you to believe it.

信じてもらえるとは思いません

I don’t imagine this is too far off base.

これが的外れすぎるとは思えません

I don’t suspect that that will go away.

それがなくなるとは思えません

YouGlish で使用頻度を調べてみました
これらの中では I don’t think が圧倒的に多く使われています

hope, afraid

think や expect は相手の状況を想像して話しています
それに対して hope や afraid は自分の気持ちを表現するものです
自分の望みや残念な気持ちは、そのまま表現するのが自然です

(望み)hope, wish
(残念)afraid, fare

I hope that wouldn’t happen.

そうならないことを願っています

I wish this wouldn’t happen.

こんなことが起こらないことを祈ります

I’m afraid that isn’t true.

残念ながら、それは本当でないと思う

I fear that isn’t true.

残念ながら、それは本当でないと思う

I don’t hope to gain anything, I just hope to do the best I can.

何も得るつもりはなく、ただ自分のできる最善を尽くしたいと思っています

hope は否定しない訳ではありません
望む(I hope)/望まない(I don’t hope)をそのまま言葉にするだけです

I don’t think を倒置にしたとき

倒置で目的語を先に言って、I don’t think を後に続けることがあります

I don’t think he’s a teacher.

彼は教師ではないと思います

He’s not a teacher, I don’t think.

彼は教師ではない違うと思う

I shouldn’t imagine I’ll be very late tonight.

今夜はとても遅くなると思うべきでない

I won’t be very late tonight, I shouldn’t imagine.

今夜はあまり遅くならない、そうならないほうがいい

このとき、前後の文の両方が否定されることがあります(Cambridge)

not のみでの否定文表現

not の前後の文を省略して簡単に表現できるものがあります

質問の返事

質問の返事をするときに、質問内容の文を省略し not のみで答ることができます

Not today, I haven’t.

今日は見てない

I haven’t seen him. を I haven’t に省略しています

Not now, he isn’t. He used to.

今は違う、前はそうだったけどね

省略しても意味が通じるので、便利な使い方です

Why not?

何で?

質問の返事以外でも同じように使えます

直前の言葉を否定するとき、「違う」の一言で通じるのは英語も日本語も同じです

I hope so, I hope not

質問の返事で not を hope や think の気持を伝える言葉と一緒に使うこともできます
not は否定ですが、so は肯定で同じように使えます

I hope so.

そうだといいな

I’m afraid so.

残念ながらそうだね

I think so.

そう思う

I hope not.

そうじゃないといいな

I’m afraid not.

残念だけどそうじゃない

I guess not.

そうじゃないかも

Probably not.

たぶんそうじゃない

I don’t think so.

そのようには思いません

so, not 共に、どの気持とも組み合わせできます
probably, maybe, certainly などの副詞の後にも使えます

think は通常 I think not ではなく I don’t think so にします
Cambridge dictionary には I don’t think so はとても丁寧で珍しいと書いていました
でも、GIUでは他のものと一緒に説明されており、YouGlishでもそれなりの使用頻度で普通に使われていました

違いを明確にする but not, or not

but not

but not は対比を表わすときによく使います
余計な言葉が不要で、簡単に伝わるのが好まれます

You can look but not touch.
You can look but you can’t touch.

but の後は節(you can’t…)を続けたくなりますが、but not が簡単でおすすめです

We can affect the future but not the past.

未来に影響は与えられる、でも過去にはできない

They’re willing to take but not to give back.

彼らは受け取るつもりはありますが、返す気はありません

That’s quite a lot, but not enough by any mean.

これはかなりの量ですが、決して十分ではありません

名詞、to 不定詞、副詞など、動詞以外にも使えます

or not

or not は、するかしないかの質問に使えます
誰かに決断を迫るために使うこともあります(Cambridge)

Are you going to apologize to me or not?
Are you going to apologize to me or are you not going to apologize to me?

or 以降の文(ar you not going…)が not 一言で伝わります
決断を迫るときは短くビシッと言いましょう
とても直接的な質問なので、強く言うとイライラした気持ちを表現できます

I can’t remember if he did or not.

彼がそうしたかどうかは思い出せない

Whether or not you’re in a relationship right now does not matter.

今、恋人関係にあるかどうかは関係ありません

if, whether の後で or not はよく使われます(Cambridge)

You, believe it or not, are an influencer.

信じられないかもしれませんが、あなたはインフルエンサーです

believe it or not はよく見かけます
この例のように文の途中で使えるようになれるといいですね

no の意味と使い方

質問の返事

No. I went earlier, thanks.

いや。 さっき行った、ありがと

この no は、I don’t need anything from the shops. の意味です
既に説明済みの not と同様に、no も質問文の繰り返しを省略し一言で伝えることができます

no+名詞

リンゴがない、1個ある、2個あるは次のようになります

There are no apples.

リンゴがない(リンゴが0個ある)

There is an apple.

りんごが一つある

There are two apples.

リンゴが二つある

no apples はリンゴが0個のイメージです
意味は分かりやすいですが、「0個ある」は日本語にはない表現です

There are no apples.

リンゴがない

There aren’t any apples.

リンゴが一つもない

no, not any どちらも、ほぼ同じ意味です
no を使って強く発音すると、ないことを強調できます(Cambridge)

補足

可算名詞は1つ以外は複数形です

否定の副詞の使い方(倒置)

否定の副詞を文の先頭に持ってくることができます
このとき、主語と助動詞の倒置が起きます
否定の副詞を前にすると公式な表現になり、主に文章で使います(cambridge)

I had never met someone so interesting.

こんなに面白い人に出会ったことはなかった

Never had I met someone so interesting.

こんなに面白い人に出会ったことはありませんでした

We only see these flowers in spring.

私たちがこの花を見るのは春だけです

Only in spring do we see these flowers.

春だけ、この花をご覧になれます

否定の副詞句(only in spring)を前にします
助動詞がない文では、助動詞(do)を追加します

He won’t often go to work.

彼はあまり仕事に行かない

Not often will he go to work.

あまり彼は仕事に行きません

not と助動詞(will)は分かれます

She almost never loses.

彼女はほとんど負けたことがない

Scarcely does she lose.

めったに彼女は負けません

この例では副詞(Scarcely)に変更して、より公式な表現にしています

He hardly said anything.

彼はほとんど何も言わなかったよ

Hardly did he say anything.

彼はほとんど何も言いませんでした

Hardly did he say anything when he came out.

彼が出てきたとき、ほとんど何も言いませんでした

Hardly を前に出し倒置することで、より公式な表現になります
さらに when節があると、より公式な表現になります(cambridge)

否定文の繊細な表現

英語の全体否定と分部否定は、日本語の感覚と違うところがあります
誤解されないように、しっかり理解しておきたいものです

  • 二重否定
  • 全体否定と分部否定
  • 否定の強調と控えめの否定

二重否定とその使い方

標準英語では、nobody、nowhere、never、nothing などの否定的な言葉を使うと、通常、動詞に否定語は使いません。(Cambridge)

He’s going nowhere.

彼はどこにも行かない

✕He’s not going nowhere.

✕彼はどこにも行かない

〇He’s not going anywhere.

〇彼はどこにも行かない

not + no… は標準英語では正しくないとされています
(注)地域によって使っているようなので、Cambridge dictionaryでは標準英語と限定しています
not + anywhere のように any が正しい使い方です

注意

この形式(not + no..)の二重否定は、英語の一部地域(方言)や、英語以外のいくつかの言語では正しいとされています
表現の多様性は尊重すべきで、実際の会話(YouGlishなど)では見かけることがあります

日本語でもそうですが、二重否定は意味が分かりづらいので使わないようにと言われます

ただし、次の形式は正しいと認められており正式な場所や文章でも一般的です
not+否定の接頭語(un-、in- など)が付いた形容詞や副詞は使用できます(Cambridge)

That’s not unreasonable.

それは無理もないですね

His victory is not unexpected.

彼の勝利は予想外ではない

It’s not unusual for us to do that.

私たちがそれをするのは珍しいことではない

It’s not uncommon to go to the beach.

ビーチに行くのは珍しいことではありません

二重否定の意味は肯定になりますが、肯定文にはない気持ちや意見のニュアンスを伝えるのに欠かせないものです

全体否定と分部否定

日本語では次の表現が普通です
・少しある/少ししかない
・全て正しい/全て間違い
一部を示す場合は肯定も否定も「少し」を使います
全体を示す場合は肯定も否定も「全て」を使います

英語は次のようになります
・some(少しある)/not any(一つもない)
・all(全て正しい)/not all(全てが正しい訳ではない)

日本語の「全て間違い」の感覚で not all が全否定だと誤解する人もいます
not any が一つもないで全否定になります

このように、程度や頻度に関する言葉を否定すると日本語の感覚と違うことがあります

多くの例文を見て英語の表現に慣れるのが、感覚を身に付ける近道になります

全体否定

not や no を使い、程度や頻度を表わす言葉(all, someなど)がないものは全体否定です

I can’t swim.

泳げません

I’ll never forget.

私は決して忘れません

No news is good news.

便りがないのは良い便り

We had nothing in common.

私たちには何の共通点もなかった

次に示す not any や not either を使ったものも全体否定になります

not any

I have some money.

少しお金がある

I don’t have any money

少しもお金がない

I have no money.

お金がない

お金がないときは no money が便利です
not any money でもいいですが、any は次のような使い方に適しています
・Do you have any money?(お金持ってる?):疑問文
・You didn’t make any money.(お金を稼げなかった)

I don’t know any of the answers.

答えは一つも知りません

I don’t know some of the answers.

答えの一部は知りません

否定文には any を使う印象があり、not any は全体否定になります
一部を知らないときは not some で分部否定ができます

There aren’t any seats left.

空席がありません

Tell them I don’t want to see anyone.

誰にも会いたくないと伝えてください

There is never any fear of failure, just the fear of being ignored.

失敗を恐れることは決してなく、ただ無視されることだけを恐れています

any だけでなく anywhere や anyone も同じように使えます
not の代わりに never でも大丈夫です

not either

He said, “I’m not from here.” And I said, “I’m not either.”

彼は「ここの出身じゃない」と言った。 「私も違う」と言った

He said, “I’m not from here.” And I said, “Neither am I.”

彼は「ここの出身じゃない」と言った。 「私も違う」と言った

「私も違う」は否定文なので、 too ではなく either を使います
neither = not either です

This was not a fun conversation for either him or me.

これは彼にもにも楽しい会話ではなかった

It could sort of be here, and it can also be there. It’s not either or.

それはここにあるかもしれないし、そこにもあるかもしれない。 どちらかではありません

not either or という使い方はよく出てきます

That is not the case with either my father or my mother.

私の父そうではありません

It’s either good or it’s not.

それは良い悪いどちらかです

It’s either not my fault or it’s all your fault.

それは私のせいではないあるいはすべてあなたのせいです

not と either の順番で、全否定か一方の否定かが変わります

分部否定

all や always のような全体を表わす言葉を否定すると部分否定になります
主なものです

all

すべての

enery

すべての

always

いつも

necessarily

必ず

completely

完全に

quite

完全に、まったく

It’s not all good news.

良いニュースばかりではありません

Not every phrasal verb follows the same rules.

すべての句動詞が同じルールに従うわけではありません

It’s not always going to work.

常にうまくいくとは限りません

I would say not necessarily.

必ずしもそうとは言えません

You’re safe but not completely safe.

あなたは安全ですが、完全に安全ではありません

It’s actually not quite correct.

実際には完全に正しいわけではありません

日本語の「全て」は肯定でも否定でも全体を表わすイメージがあります
それに対して、英語の「not all」は「全てがそうではない(部分否定)」をイメージすることが大切です

否定の強調と控えめにする表現

全体否定/分部否定と同様に、否定の強調/控えめの表現も日本語の感覚と違うことがあります
こちらも多くの例文を集めました

否定の強調

否定を強調するためによく使う言葉です
・at all, ever
・by no means, by any means
・in the least, a bit
・whatever, whatsoever

There’s no problem with it at all.

全く問題ありません

I’m not ever going to do that again.

もう二度とそんなことはしません

Believe it or not, we hardly ever say “goodbye.”

信じられないかもしれませんが、goodbye はほとんど使いません

It’s certainly, by no means, sufficient.

確かに、それは決して十分ではありません

That’s quite a lot, but not enough by any means.

かなりの量ですが、決して十分ではありません

no means = not any means なので、no means の文に not は不要です

I won’t be in the least surprised.

少しも驚かないよ

No one found it one bit funny.

誰もそれを少しも面白いとは思わなかった

I don’t care whatever the cost.

費用がいくらであろうとも気にしない

He seems to have no ambitions whatsoever.

彼には何の野心もないようだ

Do you mind if の返事

「Do you mind if」または「Would you mind if」の普通の返事は I don’t mind. です
その代わりに、否定を強調して答えることがあります
・not at all
・not in the least

Not at all.

全然大丈夫です

Not in the least.

少しも気にしません

いいえ(I don’t mind)よりも丁寧です
返事をより丁寧にするために、このように否定を強調することはよくあります(Cambridge)

表現を控えめにする否定

否定によって控えめの表現になるものがあります

多い/少ない、とても/いつもなどの程度や頻度の単語を否定すると、表現が控えめになり意味が変わることもあります
たとえば、「多い」が「すこし多め」になるのではなく、「多くはない(少ない)」になるようなものです

主なものです
・many, much
・some, a few, a little
・very, quite
・so, really

I like him.

彼が好き

I like him very much.

彼がとても好き

I don’t like him.

彼が好きではない

I don’t like him very much.

彼があまり好きではない

Not many people know this.

これを知っている人は多くありません

There’s not much time.

あまり時間がありません

Some players don’t learn from their mistakes.

自分の間違いから学ばない選手もいます

Not a few people have noted that the fact.

その事実に気づいた人は少なくありません

It’s not a little problem.

小さな問題ではない

It sounds quite right.

まったくそのとおりだ

It doesn’t sound quite right.

どうもしっくりこない

I really care.

本当に気になります

I don’t really care.

あまり気にしません

You’re not very good at this, are you?

あなたはこれがあまり得意ではありませんよね?

I was in Kyoto not so long ago.

少し前まで京都にいました

これらは控えめな意味になるため、分部否定になります

否定の範囲の違い(副詞の否定)

My girlfriend is not always on time.

僕の彼女、いつも時間通りに来るとは限らないんだよ

My girlfriend is always not on time.

僕の彼女、いつも時間どおりに来ない

I don’t really like answering questions.

私は質問に答えるのがあまり好きではありません

I really don’t like answering questions.

私は質問に答えるのが本当に好きではありません

副詞を否定するかしないかで意味が変わるので注意しましょう

余談ですが、日本語と英語でなぜイメージが違うか考えてみました

英語と日本語で、控えめにする表現を比べてみます
(英語)
many(多い)/not many(多くない:少ない)
a few(少ない)/not a few(少なくない:多い)
(日本語)
とても(多い) /とても(少ない)
すこし(多め) /すこし(少なめ)

日本語は否定も肯定も同じ言葉(とても)で強調、同じ言葉(すこし)で控えめにしています

英語は肯定が普通の表現、否定が控えめの表現になっています
更に many の否定で「多め」の意味ではなく、「少い」の意味になります

日本語は、肯定(多い)と否定(少ない)に副詞(とても/すこし)を使い強調と控えめを表現します
英語は、副詞(many, a few)に肯定と否定の意味があり、それを否定して控えめの表現にしています

日本語の副詞(とても、すこし)は肯定でも否定でもないの対し、英語の many は肯定、a few は否定の意味を含んでいるために起きる現象のようです

否定の慣用表現

否定の内容が多くなりすぎたため、否定の慣用表現はこちらに分割しました

おわりに

英語の会話では、日本語に比べて多くの否定表現を使います

言いにくい話をするとき、日本では現状を話して察してもらいます
(仕事を断るとき、今忙しいとか、考えておくのような表現)

英語は結論を言いますが、言いにくいと思う感情は同じです
そのため、表現方法の一つとして否定文にして間接的に伝えています
反語にして間接的に伝えることで、直接的な表現より丁寧に伝えることができます

否定の仕方が多彩なのも、その影響かもしれません

このブログの内容が少しでも皆さんの理解と知識の助けになることを期待します

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