英語の接続詞は大きく2つあります
ひとつは、and や or に代表される等位接続詞です
もう一つは、if や when、as や because などの従属接続詞です
従属接続詞は一般に副詞節になりますが、名詞節になるものもあります
ここでは、従属接続詞で副詞節だけでなく名詞節にもなる that と if/whether について説明します
接続詞 that
that は代名詞の印象が強いですが接続詞でも使います
that は従属接続詞になりますが、副詞節だけでなく名詞節にもなります
名詞節になるときの that が使える場所は次の通りです
- 主語、補語、目的語になる
- 前置詞に使える
- 名詞の同格になる
名詞節のthat
(主語)
That he is Japanese dosen’t matter.
彼が日本人であることは問題ではない
It wasn’t until 31 years old that he was a billionaire.
彼が億万長者になったのは31歳の時だった
that節が長いときは仮主語(it)を使うことがあります
(補語)
It would seem that it should be easy to fix.
簡単に解決できるように思えます
What I wanted to say is that I try my best to always be kind.
私が言いたかったのは、いつも優しくあろうとベストを尽くしているということです
(目的語:SV+that)
She insisted that she hadn’t ever met him.
彼女は、彼には会ったことがないと言い張った
I actually think that this is going to kind of awesome.
実際、これはすごいことになると思います
(形容詞に続く節:SV+形容詞+that)
I’m sure that he will succeed in business.
彼はきっと事業に成功するだろう
It is necessary that he should take care not to speak too much.
彼はあまりしゃべり過ぎないように注意しなければいけない
I’m sure (of the fact) that と考えると名詞節になります
または be sure を一つの動詞と同等に見なして名詞節と考える人もいます
一方で、I’m sure がSVCなので、それに続くthat節を副詞節に分類する人もいます
会話では名詞節か副詞節かを気にする必要はありません
SV+that と SV+形容詞+that を同じような形と考えるとスッキリします
(前置詞+that:in, except のみ)
I was lucky in that I did it at the time.
幸運なことに、当時それをやりました
This all sounds good except that to make a difference.
違いを生むという点を除けば、すべては良いことのように聞こえる
参考:箸の持ち方をexcept that を使って説明しています。ご参考に
Holding chopsticks is a little bit like holding a pencil, except that you have two of them and you move them together in a pincer movement.
箸の持ち方は鉛筆の持ち方に少し似ていますが、箸は2本あり、それを挟むように動かすという点が異なります。
(同格)
I support the idea that all lives are of equal value.
私は、すべての命は等しく価値があるという考えを支持します
The fact that you’re visiting this blog means you care.
このブログを見ているという事実は、関心があるということです
Thank you for visiting this blog.
no doubt that:疑いの余地はない
(no doubt that)
I have no doubt you will do it.
君がそれをやってくれることに何の疑いもない
I think no doubt that it’s worth it.
疑いなく価値があると思います
There’s little doubt that it’s true.
それが真実であることにほとんど疑いはない
Never doubt that I’m zealous about English.
私が英語に熱心であることを決して疑わないでください
no doubt は正しいと思うことや事実の強調に使うフレーズです
例文のように no doubt that で使うこともあります
この that は省略可能です
no の代わりに little や never を使うこともあります
(There’s no doubt that)
There’s no doubt but that that’s true.
それが真実であることに疑いの余地はありません
There’s no doubt that what we’re exposed to is traumatic.
私たちがさらされているものがトラウマになることは疑いの余地がありません
There’s no doubt that だと no doubt に比べてより強調します
公式な場面で使います(cambridge)
(参考)
I doubt that every person is like that.
すべての人がそうだとは思えません
He will no doubt tell you all about his vacation.
彼は疑いなく休暇についてすべて話してくれるでしょう
doubt が動詞で「疑いがある」の意味でも使えます
no doubt が副詞で「疑いなく」の意味でも使えます
副詞節のthat
副詞などを修飾する副詞節になることもあります
よく使われるものをいくつか紹介します
- (時)
by the time that
その時間までに - (原因・理由)
not that
というわけではない - now that
今はもう~なので - seeing that
~なので - (目的・結果)
so that
そのために - in order that
そのために - (程度・結果)
so 形容詞 that
とても「形容詞」なので - such 形容詞+名詞 that
とても「形容詞+名詞」なので
(by the time that:その時間までに)
She was quite elderly by the time that I met her.
私が彼女に会った頃、彼女はかなり高齢でした
By the time I reached the top of the hill, I was catching my breath.
丘の頂上に着いた頃には息が上がっていました
(by the time vs when)
By the time she was finished, she was stuck in the mud.
終わった頃には、彼女は泥沼にはまっていた
When she was done, she was stuck in the mud.
終わったとき、彼女は泥沼にはまっていた
和訳でも違いはわかると思いますが、少しニュアンスが違います
・By the time:時間経過やその結果に焦点を当てる
・when:出来事が起きた「時点」を特定するだけ
(not that:というわけではない)
It’s not simple.(比較用)
単純じゃない
It’s not that simple.
そんなに単純じゃない
Not that I’m a failure.
私が失敗したというわけではありません
(now that:今はもう~なので)
Now that being said, there are things that you can do.
そうは言っても、できることはあります
Now that you’ve heard about this story, it’s time to start your own journey.
この話を聞いた今が、自分の旅を始める時だ
(seeing that:~なので)
People are seeing that it is us.
人々はそれが私たちだと気づきました
Never seeing that it was going out.
それが外に出るとは思っていませんでした
They’ll be more relaxed, seeing that you are relaxed.
あなたがリラックスしているのを見ると、彼らももっとリラックスするでしょう
I see.(分かった)
日本語でも、わかったときに「見えた」ということがあります
see は、見えた、わかった、気づいた、思ったなどの意味で使える便利な言葉です
seeing that は、「~がわかった」のように補語や単独で使うこともあるし、「~がわかったので」のように接続詞で使うこともあります
(so that:そのために)
I am going to try to adjust it so that it works.
うまく機能するように調整するつもりです
It can be dried and then heated so that it puffs up.
乾燥させてから加熱すると膨らみます
That’s right. So that was absolutely critical.
そのとおりです。だからそれは絶対に重要でした
that を省略して単独の so で接続副詞になることもあります
(in order that:そのために)
I do in order that it may be of use.
私はそれが役に立つために行う
The standards have been set in order that we would meet the targets.
基準は私たちが目標を達成できるように設定されました
in order to は知っている人も多いでしょう
後ろに続くものが句でなく節のときは to ではなく that になります
so~that, such~that
(so~that:とても~なので)
That’s so cute that you say that.
あなたがそう言うなんて、とてもかわいいわ
The heat shouldn’t be so high that the eggs brown.
卵が茶色くなるほど強火にしてはいけません
That’s so cute that you say that. は直訳すると「とてもかわいい、あなたがそう言うところが」です
「とてもかわいい」=「あなたがそう言うところ」の関係にあります
日本語だと時系列で「あなたがそう言うところが、とてもかわいい」になります
感情を入れると「あなたがそう言うなんて、とてもかわいいわ」などと言えます
英語では同等(=)の関係のとき、日本語のイメージと違って順序が逆転することも多くあります
(such~that:とても~なので)
It was such a difficult exam that I was very tired at the end.
難しい試験だったので最後にはとても疲れました
(比較:寒いので家にいた)
It was cold, and we stayed inside.
寒くて、家にいました
Because it was cold, we stayed inside.
寒かったので、家にいました
It was so cold that we stayed inside.
とても寒かったので、家にいました
It was such a cold day that we stayed inside.
とても寒い日だったので、家にいました
We stayed inside due to the cold.
寒さのため、家にいました
ChatGPT による使い方の説明は次の通りです
・and は簡潔で自然なので日常会話では一般的です
・because は直接的な因果関係を示しています
(so, such を使うと強調した感じになります)
(so は形容詞、such は名詞が続きます)
・such は so より丁寧で、文章やスピーチでよく使います
・due to が一番丁寧です
接続詞 if, whether
if と whether の意味は似ていますが、使い方は少し違います
if は条件文(副詞節)になる印象が強いですが名詞節にもなります
whether も副詞節になりますが名詞節にもなります
if が名詞節で使えるのは、 itが仮主語で意味上の主語になる場合と目的語になる場合のみです
whether の名詞節は名詞が使える次の場所で使えます
- 主語、補語、目的語になる
- 前置詞に使える
- 名詞の同格になる
名詞節のif, whether
(主語:比較)
①It’s unclear if that actually happened.
それが実際に起こったかは不明です
②It’s unclear whether that actually happened.
それが実際に起こったかどうかは不明です
③Whether that actually happened is unclear.
それが実際に起こったかどうかは不明です
主語になるときと it を仮主語とした意味上の主語になるときでは、ニュアンスが少し違います(ChatGPT)
①:気軽な状況や日常会話で自然に聞こえ、会話では一番多く使われています
②:whether を使っているので少し丁寧、会話でも書き言葉でも使います
③:形式ばった表現、公式の場所や書き言葉でよく使います
補足:主語になるif節は必ず仮主語(it)で始まります。ifが先頭にあると条件文のイメージになります
(目的語:比較)
She asked if I needed help.
彼女は私に助けが必要か聞きました
She asked whether I needed help.
彼女は私に助けが必要かどうか聞きました
この使い方は間接疑問によく合います
(目的語:比較)
I don’t know if I can drive. My foot really hurts.
運転できるかわかりません。足が本当に痛いです
I can’t decide whether to paint the wall green or blue.
壁を緑に塗るか青に塗るか決められません
if は whether より一般的です
whether は複数の選択肢があるときによく使います
(補語)
The question is whether that’s right.
問題は、それが正しいかどうかです
The truth of the matter is whether you’re growing up.
問題の真実は、あなたが成長しているかどうかということです
補語になるときは whether だけで if は使いません
(前置詞)
I’m interested in whether it’s going to rain.
私は雨になるかどうかに興味があります
I’m thinking about whether or not she is there.
彼女がそこにいるかどうかについて考えています
前置詞の後は whether だけで if は使いません
(同格)
There is some doubt whether we will finish.
完了するかどうかは疑わしいです
There’s first the question whether that’s a good idea.
まず、それが良い考えかどうかという疑問があります
同格になるときも whether だけで if は使いません
副詞節のif, whether
(if)
We’ll help if you need us to.
必要なら手伝いますよ
If you do it the right way, it can also be lots of fun!
正しい方法で行うと、とても楽しくなります
よく見かけるifの条件文は副詞節です
条件文の詳細はこちらをご覧ください
(whether)
I’m going, whether she likes it or not.
彼女が好むと好まざるとに関わらず、私は行きます
It’s a good story, whether or not it’s true.
それが本当かどうかは別として、それは良い話です
whether の副詞節は「かどうかは別として」という意味になるのが普通です
wherther or not
Whether or not you like it, I’m going out tonight.
あなたが望むかどうかに関わらず、私は今夜出かけます
whether or not は具体的に「どちらかに関わりなく」という意味の慣用句です
(比較)
It is unclear whether or not this is the right answer.
正しいか違う答えかどうかはっきりしない
It is unclear whether this is the right answer or not.
答えが正しいか違うかどうかはっきりしない
It is unclear if this is the right answer or not.
答えが正しいか違うかはっきりしない
whether or not は丁寧で、公式の場所や書き言葉でよく使います
or not を最後にすることもできます
if or not はダメですが、if で or not を後ろにすれば大丈夫です
公式な場所では whether、日常会話では if が好まれます
(比較:or not の省略)
The question is whether or not that’s right.
問題はそれが正しいか正しくないかです
The question is whether that’s right.
問題はそれが正しいかどうかです
状況により or not を省略できます
曖昧さをなくし読みやすくするために省略しないこともよくあります
(省略しない例)
Whether or not you agree, the decision has been made.
あなたが賛成するかしないかに関わらず、決定はすでに下されました
The terms apply whether or not the user has read the agreement.
契約を読んだか読まないかに関わらず、条件が適用されます
否定的な可能性を具体的に示すときは省略しません
公式な文章や契約書では、曖昧さを避けるために省略しないのが一般的です
(その他)
The reality is, whether we know it or not, we already care about climate change.
現実には、私たちが知っているかどうかに関係なく、私たちはすでに気候変動を気にしています
whether節をカンマで区切って文中に入れることもできます
おわりに
接続詞は、文法と言っても個々の使い方が中心になります
接続詞の説明は、いくつかの文法書でそれぞれ個性があると感じている人もいるでしょう
文法的には等位接続と従属接続の違いを理解すれば十分です
それ以外は、日本語の解説で抽象的な概念を理解するのは楽しくありません
それよりも例文をみて個別の接続詞それぞれの使い方を覚えるほうが楽しく学べます
このブログの内容が少しでも皆さんの理解と知識の助けになることを期待します